【実家で気づく、“わたし”の変化】 ──帰省のたびにふと立ち止まる、「今の自分」との対話
2025.08.14
誰かのために忙しく動いている日々の中で、
ふとしたきっかけで地元を訪れると、
変わらない景色に、なぜだか胸がじんわりすることがあります。
実家に帰る人も、しばらく帰れていない人も、
この季節、どこかで“昔の自分”を思い出す瞬間があるのかもしれません。
1. 気づけば、親の言葉に耳を傾けている自分がいた
学生の頃は、うるさく感じていた親の言葉。
何かにつけて心配されるのが煩わしくて、つい反発していたこともあったかもしれません。
でも、大人になって実家に帰ると、
その言葉の裏にある「願い」や「不器用な愛情」に、自然と気づけるようになっている。
いつの間にか、自分のなかにも「守りたいもの」が増えていたからかもしれません。
「ちゃんと食べてるの?」「仕事はつらくない?」
そんな何気ない会話が、今はあたたかく胸に染みてきます。
2. 地元の空気が、心の緊張をほどいてくれる
コンビニの前の坂道、商店街の古いアーケード、
駅前のベンチ──何も特別ではないはずの風景が、
今の自分をそっと受け入れてくれる気がするときがあります。
時間の流れに取り残されたような景色の中で、
張りつめていた心が、ふっとゆるむ。
「何もしていなくても、ここにいていい」
そんな安心感が、地元の空気にはあるのかもしれません。
3. あの頃の自分と、静かに向き合う
地元に帰ると、どうしても思い出すのは、
うまくいかなかった恋や、夢中だったこと、
そして「こうなりたかった自分」の姿。
今とは違う考え方をしていた過去の自分に、
つい照れくささや後悔を覚えることもあるけれど、
それでも、あの頃があったから今があると、
少しずつ受け入れられるようになっている自分に気づきます。
変わっていくことも、変わらずにいることも、
どちらも大切な「わたし」の一部です。
4. 帰らなくても、想いはつながっている
事情があって、実家に帰れない人もいると思います。
物理的な距離があっても、
ふと思い出すだけで心があたたかくなる場所や人があるなら、
それだけで「つながっている」と言えるのではないでしょうか。
たとえ連絡を取っていなくても、
心のどこかでいつも思っている。
その想いは、ちゃんと届いているはずです。
遠く離れていても、やさしさはちゃんと心に残ります。
ルーツに触れるというのは、
昔の自分と、今の自分を静かに見つめる時間でもあります。
変わっていくことに不安を感じたときも、
「帰れる場所がある」と思えるだけで、
前に進む勇気が湧いてくる。
どこにいても、どんな選択をしていても、
“わたし”はいつも、自分の中にちゃんと存在しています。
今ここにいる自分を、そっと抱きしめるように。
懐かしい風を感じたら、どうかその心の声にやさしく耳を傾けてみてくださいね。