「I love you」と「I like you a lot」
2025.07.13
たとえば、あなたのことを
「I like you a lot」と言う人がいたとします。
まっすぐな目で、少し照れたように、
「すごく好きだよ」って言ってくれる。
だけど、その一言を聞いたとき、
どうしてだろう。
少しだけ、胸が苦しくなった。
もっと聞きたかった。
違う言葉で、確かめたかった。
たったそれだけの違いなのに、
心って、こんなに揺れてしまうんですね。
1. 「I like you a lot」には、やさしさと、ためらいが混ざっている
あなたのことが好き。
一緒にいたいと思う。
もっと知りたいし、もっとそばにいたい。
でも、その先を言い切るほどの覚悟までは、まだない。
そんなやわらかくて、あたたかくて、
でもどこか触れたら壊れてしまいそうな距離感が、
「I like you a lot」には込められている気がします。
悪気なんてないのに、
そこに少しだけ“片想いの痛み”が混ざっているのは、なぜなんでしょうね。
2. 「I love you」って、たぶん、もう言い逃れができない言葉
「好きです」って、言える。
「大好きです」も、わりと言える。
でも、「愛してる」って、
日本語でも英語でも、どうしてこんなに重たく感じるんでしょう。
それはきっと、“心ごと差し出す言葉”だから。
言ってしまったら最後、
もう戻れないことを、どこかで知っている。
それでも伝えたいときって、
人はもう、相手の中に“自分の居場所”を見つけているときなのかもしれません。
3. あなたが待っている言葉は、きっとその人の中にある。けれど——
相手はあなたのことを、大切に思っている。
優しくしてくれるし、目を見て笑ってくれる。
でも、「愛してる」とまでは言ってくれない。
それは、愛がないわけじゃなくて、言葉にする勇気がまだ育っていないだけかもしれません。
もしくは、あなたが待っているその気持ちを、
自分でもまだ、認めきれていないのかもしれない。
4. 恋って、言葉のあいだで揺れるものなのかもしれない
“I like you a lot”と“I love you”のあいだ。
「好き」と「愛してる」のあいだ。
はっきりしないその中間にこそ、
恋の時間ってあるのだと思います。
いつ届くかわからない言葉を、
いつか届くと信じて待つこと。
それもひとつの、
静かでやさしい、恋のかたちなのかもしれません。
本当に好きな人には、簡単に「I love you」とは言えない。
でも本当に好きだから、「I like you a lot」で止まってしまうこともある。
恋って、複雑で、ふしぎで、切なくて。
でもだからこそ、美しい。
あなたが今、どんな言葉を待っているとしても。
どんな言葉を伝えたいと思っているとしても。
その気持ちが本物なら、
それだけで、もう十分に愛なんだと思います。