伝わらない、伝えられない——そんな恋に悩むあなたへ
2025.06.04
好きなのに、なぜかうまくいかない。
気持ちを言葉にするのが難しかったり、相手の反応が思っていたのと違って戸惑ったり、
「わかってほしい」という願いが、いつの間にか疲れや諦めに変わってしまう——
そんな恋のなかに、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)といった発達特性が関係していることがあります。
自分がそうかもしれない。
相手がそうかもしれない。
どちらであっても、それは悪いことではありません。
ただ、感じ方・考え方・伝え方に違いがあるというだけ。
そしてその違いは、理解の仕方次第で「ズレ」ではなく「個性」として育てていけます。
今回は、発達特性のある恋人とのすれ違いや戸惑いに悩むあなたへ向けて、
心をすり減らさずにふたりの関係を整えていくための4つの視点をお届けします。
Step1:伝わらないのは、「想いがない」からではない
特性を持っていると、言葉の裏を読み取るのが苦手だったり、感情を言葉にすることが極端に難しかったりします。
それは、「あなたを大切に思っていない」からではなく、そもそもの伝達の仕方が違うだけ。
「なぜこんなに冷たいの?」と思っても、その中にちゃんと“愛のかたち”があるかもしれません。
伝わりづらいだけで、想いがないわけではない——その視点は、ふたりの関係を守る土台になります。
Step2:伝えられないのは、「わかってほしくない」からではない
ASD/ADHDの傾向があると、自分の気持ちを整理して伝えるのに時間がかかったり、うまく言葉にできないことも多くあります。
もどかしい沈黙やすれ違いの裏にあるのは、「どう伝えたらいいかわからない」という混乱や怖さかもしれません。
待つこと、言葉以外の“反応”を受け取ること、そして何より「伝えてくれようとしている」ことに気づいてあげることが、信頼の育ち方につながります。
Step3:ふたりの“正解”をいっしょに見つけていく
「普通ならこうでしょ」は、特性を持つ人には時に厳しすぎる基準になります。
忘れ物が多い、気が散りやすい、約束を覚えられない。
でも、メモやリマインダーで補えることもあるし、感情の温度を共有する方法もあります。
ひとつずつ工夫して、“ふたりなりのやり方”を見つけていくこと。
その姿勢があれば、関係はきっと形を変えて深まっていきます。
Step4:あなたが無理をしすぎないことも、関係を守る力になる
理解しようとするあまり、自分の気持ちを抑えこんでしまう方も多いかもしれません。
でも、我慢を重ねることは長くは続きません。
違いを受け入れつつ、あなた自身の心にもちゃんと寄り添ってあげてください。
疲れたときは距離をとってもいい、正直に「わからない」と伝えてもいい。
“ふたりともが自分らしくいられる関係”こそが、愛を育てる本当の基盤になります。
伝わらないことも、伝えられないことも、関係の終わりを意味するわけではありません。
それは、ふたりの“理解しあい方”がまだ途中にあるというだけ。
ASD/ADHDという特性は、恋愛を難しくするものではなく、
“ふたりの関係性に丁寧さを与えるきっかけ”にもなり得ます。
あなたのそのやさしさが、きっとふたりの未来を支えていく力になるはずです。